ひらめき脳


「ひらめき」について研究をしている脳科学者の茂木健一郎さんが新潮新書から出している本です。近頃、自分のひらめきに自信がなくなって、あきらめに近い気持ちから手にした。。。わけではありません(きっぱり)。以前から、茂木さんの本を読んでみたかったんです。たぶん、ぼくはかつてソニー CSL のオープンハウスに出かけたときにお話しをしたように思います。あのときはなんか妙なもの*1を応用して癌を見つける研究をなさっていたような。。。

この本ですが、ひらめく人もひらめかない*2人にもお勧めです。なかでも印象的なのは「脳の90%は使われていない」というのは都市伝説だそうです。ヘェ〜、ヘェ〜、ヘェ〜*3脳は小さな入れ物にあまりある機能を詰め込んでいるので、活動を部分的にとめることもできないというのです。「土地代がものすごく高い都心部のようなものですから、遊ばせておく余裕などない」のだそうです。

家の近所に気のきいた蕎麦屋があるのですが、そこで夕食をとりつつこの本を読んでいたら、お茶を注ぎにきてくれた若い店員がこらえきれずにといった様子で「その本、面白そうですね」と話しかけてきました。「ぼくは本を読むのが趣味なんです」という彼は、「仕事が終ったら、Amazon に注文」しようかなと言ってました。読み終わったら彼にあげてもよかったんですが、まだ読み終えてなかったし、研究室の若い人々にも読んでもらいたかったのでやめました。

店員がこの本のどこにときめいたのかは分りませんが、面白い本です。茂木さんの本との幸せな出会いでした。読み終えるまえに感想を書くのも失礼な話ですが、

  • 能動的にひらめきを得ることは難しい
  • ひらめき = 脳の喜び
  • ひらめきはリラックスしている状態で訪れる
  • 日頃使っている脳の働きを止めると、脳の未知の部分が働き始める

*1:グラフ理論とか、情報理論とかくらい医学から離れたもの

*2:と思い込んでいる

*3:トリビアも見たことないんだけど。。。