パイチャートはだめ?

パイチャートとは円グラフのことです。マーケティングの世界などでよく使われているものです。Reynolds さんは、今日はパイチャートの使用について考え直してみませんかと語っています。全面的に悪いとは言ってないのですが、出回っているパイチャートには問題をかかえたものが多いと指摘したり、ちゃかしたりしています。

今日の Reynolds さんの論点はやや不明瞭ながら、いくつか挙げ、改善のアイデアを示しています。

  • あまりに細いパイは見えない。たとえば、今日のやりだまにあがってるJohn Mackayが使ったパイチャートで 2% と記されている部分がありますけれど、その領域の色はわかりますか?Reynoldsさんは、小さくて見えにくい領域は まとめてしまうことを提案しています。
  • 上の論点とほぼ同じですが、パイが10以上に分割されているのは、考えなおした方がいいそうです。それぞれのパイが小さくなってしまいますからね。それは理解できるのですが、棒グラフにすれば分りやすいかといえば、そうともいえないでしょう。わかりやすさを追求するのであれば、対立項目の数を削減すべきでしょうね。個人的には5つより少なくして欲しいです。
  • これは Reynolds さんが明記しているのではなく、ぼくが思ったことです。Excelにまかせっきりにしたパイチャートは、information visualizationの観点からはお粗末な場合が多いと思います。たとえば、さきほどの J. Mackay が用いたパイチャートで、また、一番大きな66%の領域がどの大陸にあたるか即答できますか?このためには、その領域の色を確認した上で、凡例のなかからその色を探し、その説明を見なくてはなりません。凡例を見なければ理解できない図は、聴衆の大きな負担を強います。できるだけ避けるべきでしょう。一方、Reynoldsさんの改善案 では、パイの中に説明が書かれています。とても分りやすいです。
  • これまた、ぼくの意見ですが、情報の可視化において色の利用には慎重であるべきです。人によっては、色弱のため、一般のひとが容易に区別可能な色の違いを見分けられない人がいます。その割合も男性では5%以上であり、無視できるません。そうでなくても、色を用いて区別されたものについては、なんらかの意図があって色の区別をしたものと解釈される可能性があります。Excel は勝手に色づけをしますので、Excel にまかせっぱなしにすると、図に思いがけない恣意性を与えてしまいます。

世の中にはパイチャートを強く否定する人がいるようです。ぼくはそこまで過激ではありません。場合によって使いわけることができると思うのですが、パイチャートの使用にあたっては常に慎重であるべきだという論点には賛成します。

Reynoldsさんは上に挙げられたパイチャートを棒グラフにしたり、横向きの棒グラフにしたりしています。これを見て思ったんですが、棒が表す数値の書き方は横向きのグラフの方が読みやすいですね。英語が横書きの言語だからかもしれません。パイチャートの場合、それぞれの領域の形が異なったり斜めになったりしているために、領域の表すデータの説明を書きこむのに苦労しそうです。また読むのも大変でしょうね。やっぱり、一般的には棒グラフの方が使いやすく、見易いかもしれませんね。パイチャートの方が優れているというケースは思いつきませんでした。